カーネーション1本の値段と違いの意味について

カーネーション1本の値段について、さいたま市の価格を花屋経験30年の仕入れ担当が体感としてお伝えいたします。

花は元々食品よりも価格変動の激しい商品です。
私も入社当時は、先輩社員が花の値段を毎回聞いている様子を見て「なんで何年経っても価格を覚えられないのだろう?」と思ったものです。
その後、月・水・金と入荷日ごとに花の値段が大きく変動する事を体感し、これはお客様は戸惑うだろうな、と感じた次第です。
そんな花の値段、今回はカーネーションの価格が店舗ごとに違う理由と、何がどう違うのかを具体的な金額を添えてお伝え致します。

価格を決める要素

花の価格を決める要素は主に品質・季節・天候・イベント要素です。
いずれも需要と供給のバランスになりますが、それぞれ価格にどの程度影響するかを見てみましょう。

品質

農作物である花の品質は果物と同様に等級(優・秀など)長さや花の大きさやボリュームで表します。
また、産地の技術力や環境によっても品質が異なるので、どの産地でどの生産者(個人や会社名)か?で値段が大きく変わります。
品質が悪い、不人気生産者とはどういったものかというと、カーネーションの場合はまず咲きません。
眠っていると表現しますが、買った翌日に咲く気配もなくそのままシットリと萎みます。
または毛虫が高確率でいます。
必ずという訳ではありませんが、不人気生産者になってしまう理由は花屋さんが身をもって味わった結果なのです。

品質による価格変動
幅1本(短め不人気産地で安値100円~高値350円長め・優良産地) 平均250円

季節

春夏秋冬の季節で、気温が下がると植物の生長や開花もしにくくなり、入荷が少なくなる為値段が上がります。
カーネーションの場合は全国的にハウス栽培が盛んで比較的季節の影響は少ない傾向です。
冬も値段は上がらないが下がる事もない(250円位)
春・夏は値段が下がる事がある。(下がった時は同一商品で150円位)

天候

長雨や気温が低いと病気の発生や開花不順で入荷が少なくなります。
しかしカーネーションの値動きは価格が上がるというより下がらなくなる(250円前後のまま安定)といった体感です。

イベント要素

花のイベントシーズンといえば春の入学・卒業・転勤のシーズン、クリスマスは赤バラが値上がりするが、カーネーションはご存じ母の日需要です。
私が花の世界に入った30年前は母の日といえばカーネーション一択で値段もかなり高騰していた。
だが、徐々に他業種も参戦しカーネーションも以前のように数倍の高値になる事もなくなった。
因みに2023年の母の日は連休後で日にちが遅く、値上がりもなく私が経験した中で一番穏やかな相場だったように思います。

まとめ

さいたま市のカーネーションの価格について、変動要素を交えお伝えしてみましたが平均で250円、時期や産地により平均価格の底値が150円、平均高値で300円といったところです。
格安店では高値の時は仕入れない、安値の時か等級の低いものを仕入れて150円程度で安く販売する。
高級店は値段でお客様がついている訳ではないので品質の良い花を価格を変動させず3~400円位で販売している、など各店舗の価値観に沿った品揃えになっています。
つまり、皆さんの用途にあったお気に入りの花屋さんで買う事、それが自然とベストな花選びに通じる。
そんな言葉で今回はしめたいと思います。

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